岡見 勇信 Yushin Okami
部活動: 柔道部
卒業年:平成12年
普通科文理コース
<略歴>
高校卒業後、子供の頃からの夢だった新日本プロレスに入りたいと決意。入団テストに2回受験するもどちらも不合格に。それを機に身体を鍛え直そうと東京にある総合格闘技ジム「和術慧舟會」に知人の紹介で入る。
入会した初日、ジム会長から「半年後に試合があるが出場するか?」と問われ、深く考えず出場することに。無我夢中で練習し、初めてのその大会で優勝することができた。
観衆の中で勝つ喜びを知り、優勝した瞬間に総合格闘技の虜になる。
大会に優勝したことで新日本プロレスから連絡が入り、「もう一度入団テストを受けてみないか」とお声をかけていただいたが、その時はすでに総合格闘技の魅了されており断った。
気持ちを新たに、そこから日本、ブラジル、ロシア、ハワイ、韓国での試合を経て、アメリカのメジャー団体UFCからオファーが届いた。
UFCでは世界一決定戦であるチャンピオンシップまではたどり着いたものの敗戦。その後はアメリカの団体WSOF、PFLに戦いの場を移し、日本の団体DEEP、PANCRASEでの試合も経てUFCに復帰。現在はアジア最大の格闘技団体ONE Championshipと契約中。
2010年より株式会社LDH JAPANと契約。
2017年より株式会社LDH martial arts取締役を務める。代官山のEXFIGHTジム設立やオリジナルサプリメントの開発にも携わり、現在に至る。
本校の3年間で学んだことは?
クラスというグループ社会でのバランスの取り方。
人間は好きなことを見つけた時は忍耐強く継続することができ、強い気持ちを持つことができる。途中で諦めずに努力して継続していくからこそ、少しずつでも成長できる、ということを学びました。
本校での一番の思い出は?
一番の思い出は柔道部での経験です。
仲間と共に勝つ喜びを知ったこと。そして高校最後の大会にて、格上で絶対に勝てないと思った相手に、意を決して勝負に挑んだ結果、勝つことができたこと。今でもそれらの経験が私の人生の糧となっています。
柔道部顧問の北原先生には熱くご指導いただき、心より感謝しております。
高校生活、柔道部での3年間の経験があったからこそ、今の自分の社会的地位や格闘技キャリアにつながりました。
本当にありがとうございました。
中学生・在校生に向けてのメッセージ
失敗を恐れず挑戦してください。
柔道を始める前は、オリンピックで金メダルを取れると信じて疑わなかったくらい自分に根拠のない自信がありました。しかし、残念ながら私は柔道では神奈川県32位という成績でした。いざ柔道を始めてみれば、部の先輩の強さを知り、また大会を通して相手と試合をすることで、上には上がいると痛感しました。人生の厳しさを知ったことを覚えています。自分の弱さを知ったことで、柔道は自分には向いていないのではないかと、辞めようかとも思った時期もあります。ただ、弱くても柔道が好きだったので、好きなものに対して弱いまま逃げる事は悔しかった。その悔しさが練習を続ける原動力になりました。
練習を続け、試合でたくさんの敗北を経験し、また勝利の味もたまに味わえたことで、少しずつ力がついていきました。高校最後の大会では、格上の相手にアップセットを起こすことができました。勝った瞬間の嬉しさ、そして達成感は今でも忘れられません。
成功する喜びを知るまでは、たくさんの困難がありますが、一度でも勝つ喜び・成功する喜びを知れば、どんなことでも乗り越えていけます。
心の底から好きなこと、打ち込めることを見つけて、最後まで諦めずに一歩一歩進んでいってください。
そして自分がこれと思ったことに対しては、逃げずに諦めず、試行錯誤を繰り返し、挑戦してください。
挑戦には成長しかありません。
可能性は無限大です。
今後の目標
私個人の目標は、ONE Championshipでチャンピオンになり、チャンピオンベルトを獲得すること。
また、一社会人としては、日本社会、日本文化にLDH martial artsを通してスポーツとしての格闘技を普及させたいと思っています。格闘技を通して、嘘偽りなく互いに全身全霊でぶつかり合うことは尊いです。言葉や身体の暴力がいかに下らない馬鹿馬鹿しいものか、皆が気づく体験となります。
学校でのいじめは、格闘技の普及で無くせると信じています。自己主張が苦手で周りの圧力に押されてしまう。自分に自信がない。かつては自分もどちらかというとそういうタイプでした。しかし、体重ごとに階級が分けられ、身体と身体だけで勝負するスポーツである格闘技には、小手先のごまかしや空威張りは通用しません。すべての人に平等にチャンスがあります。格闘技を通じて得た経験は、必ず自分の自信になります。強い子は周りに優しくなれます。そして何が足りないか「気づき」を持てる子はどんな子でもどんどん強くなれる。
子供にとって夢のある格闘技を、日本に発信し続けていくことが私の使命です。
これからも、その使命を忘れることなく、私も夢に向かって努力し続けて参ります。